看護師の働き方

「看護師を辞めたい」と1年目から言っていた私が、退職まで5年かかった話

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「もう辞めたい」

そう思ったのは、看護師1年目の頃でした。

そして実際に大学病院を辞めたのは、5年目の終わり。

……長い。

今振り返ると、

5年間も何してたんだ、私。と思います。

でも当時は、「辞めたい」と思ったからといって、すぐに辞められるような気がしなかったんです。

まず、師長に言うのが怖い。

やっと伝えても、なんとなく流される。

引き留められたら、「やっぱり辞めちゃダメなのかな」と思ってしまう。

そんなことを繰り返しているうちに、気づけば5年目になっていました。

今回は、1年目から「辞めたい」と思っていた私が、実際に大学病院を退職するまでのお話です。

「辞めたいです」と言いたい。でも師長がいない

病棟は、毎日とにかく忙しかったです。

お昼をゆっくり食べられない日も珍しくありません。10分以内に食べてすぐ病棟に戻る日々。

特に朝の忙しさと殺伐とした雰囲気は苦手でした。

情報収集をして、必要な物品を準備して、患者さんのところへ行く準備をする。

まだ勤務時間が始まっていないのに、「あの処置初めてだ.、先輩に確認しないと。」「でも、すごく忙しそう……」すでに焦っている。

「今日、大丈夫かな……」

そんなことを考えながら、朝から心がザワザワしていました。

そして、そんな忙しい朝に限って師長がいる。

というより、朝しか師長を捕まえられない。

朝礼前にやってきて、朝礼が終わったらどこかへ行ってしまう。

「今日こそ辞めたいって言おう」

と思っていても、

患者さんのところへ行かなきゃ。

先輩に確認しなきゃ。

ナースコール鳴ってる。

……師長いない。

はい、終了です。

なかなか「辞めたいです」の一言を伝えられませんでした。

やっと面談で伝えたのに、流された

そこで私は考えました。

「評価面談なら、絶対に師長と二人で話せる!」

中間評価や期末評価では、師長との面談があります。

ここしかない…..!

数週間待って、緊張しながらようやく伝えました。

「辞めたいと思っています」

すると、

「そうなの〜、だけどね、もうちょっと頑張れるところあるんじゃない?」

……終了。

え?

終わり?

そして私は、そのまま働き続けました。

これを1年目、2年目、3年目と繰り返します。

そろそろ学ぼう、私。

今ならそう思う。

当時の病棟では「もう無理」「辞めたい」という言葉が珍しくありませんでした。

だから私の「辞めたい」も、たくさんある「辞めたい」の中に埋もれてしまったのかもしれません。

そして毎日の仕事に追われているうちに、

「まあ、今すぐじゃなくてもいいか」

となってしまい、辞めるタイミングを逃していきました。

4年目、まさかの「このまま働けるかも」

ところが4年目。

意外なことが起こります。

仕事にもある程度慣れて、人事異動で病棟の人間関係も少し良くなりました。

すると、

「あれ?」

「私、このままここで働けるんじゃない?」

と思うようになったんです。

サービス残業は相変わらず。忙しいのも変わらない。

それでも、

「今から転職して、また一から仕事を覚えるより、この病院で頑張った方が楽なのでは?」

と思えるくらいには穏やかでした。

奇跡の4年目。と私は呼んでいます。

このまま定年までいけたりして。退職金まるまる貰っちゃう!?

……なんてことまで、ほんの少し考えていました。

5年目の春。「やっぱり無理」

そんな穏やかな4年目は幻でした。

5年目。

再び人事異動があり、病棟の雰囲気がガラッと変わったんです。

1年目の頃は、「新人だから怒られる」という怖さがありました。一挙一動を見られている緊張感もありますよね。

でも5年目の病棟は、それとはまた違う。

経験年数に関係なくお互いの粗探し。

陰口。

ときには面と向かって言い合うこともあって、「大人同士なのに、こんなことあるんだ……」と思うことも。

以前は優しくて癒し系だった先輩まで陰口を言うようになってしまい、

この病棟、終わった……。

と思ったのを覚えています。

そこへ、慣れない急変対応や他科の患者さんの受け入れが重なりました。

いつもとは違う点滴ルーチン、確認事項。あわやインシデントな事態にメンタルはズタボロ。

前年から引き継いでいた委員会の仕事もあり、完全にキャパオーバーです。

4年目に感じていた、

「意外とここで働き続けられるかも」

という気持ちは、きれいさっぱり消えました。

やっぱり無理。辞めよう。

今度こそ本気。

夜勤明け、師長を待ち伏せした

もう評価面談は待ちません。

私は夜勤明けに師長を待ちました。朝礼が終わった瞬間の師長をメスライオンのように狙います。

そのために抜かりないよう夜勤の仕事や引き継ぎも終わらせました。

そして、

「辞めます」

と伝えたのです。

「辞めたいと思っています」ではなく、

「辞めます」

断定する。これが重要。

そこから何度か面談をして、最終的に3月末で退職することになりました。

やったーーー!

……と言いたいところですが。

本当は、もっと早く辞めたかったんです。

退職の意思を伝えたのは5月頃。

私は7月頃には辞めたいと思っていました。ボーナスを貰ってからね。

でもいろいろと話をされ、最終的には年度末まで働くことになりました。

途中、本当に耐えられなくなって、「12月で辞めさせてください」と伝えたこともあります。

「もう3月までは無理かもしれない」

休職するために、メンタルクリニックを受診しようかと考えたことさえありました。

だけど結局、3月まで働き通すことに。

今振り返ると、

よくそこまで頑張ったな、私。

と思います。

「辞めたい」と言ったら、いつ辞められる?

当時の私は、「病院から3月までと言われたら、3月まで働くしかない」くらいに思っていました。

でも退職について調べてみると、職場が認めてくれるまで絶対に辞められない、というわけではありません。

期間の定めのない雇用契約の場合、民法では、原則として退職の申し入れから2週間が経過すると雇用契約が終了するとされています。

一方で、職場の就業規則に「退職希望日の1か月前までに申し出る」などのルールが定められている場合もあるため、実際に退職するときは就業規則も確認しておくことが大切です。

また、有期雇用など契約内容によって扱いが異なる場合もあります。

当時の私のケースが「法律違反だった」と言うつもりはないけれど……、

5月に退職したいと伝えて、実際に辞めたのは翌年3月。

約10か月。

振り返ってみると、

「病院に言われたから仕方ない」

と思うだけではなく、自分でも退職について調べて、希望する時期をもう少しきちんと(強めに)伝えてもよかったなと思います。

時間はお金より大事な場合もあります。

それでも引き留められると揺らぐ

病院は人手不足でした。

辞めたいと伝えると、師長だけではなく、さらに上の人と話すこともありました。

その中で、

「自分の都合で辞めて、残る人のことは考えないの?」

というようなことを言われたこともあります。

「せっかくここまで育てたのに」

というニュアンスの話もありました。

今なら、

さとちゃん
さとちゃん

いや、私の人生なんですけど。

と思えるし、角が立たないようにやんわりと伝えることもできるでしょう。

でも20代前半の私は、そんなふうには考えられませんでした。

「迷惑をかけるのかな」

「もう少し頑張るべきなのかな」

「ここまで教えてもらったのに辞めていいのかな」

そんなことを真面目に考えてしまいました。

休みの日にも仕事のことをして、サービス残業もして、しんどいことにも耐えて。

それでも辞めるとなったら、

「残る人のことを考えて」

と言われる。

当時は悲しかったです。

今でも思います。

辞めてよかったーーー!

1年目の私に言うなら「もっと自分の気持ちを大事にして」

私は1年目から「辞めたい」と思っていました。

そして実際に、師長にも何度か伝えていました。

だから、「何も言えなかった」わけではないし、怖いなかで伝えたことについては、当時の自分を褒めたいです。

今では「退職代行」というサービスまであるくらい、仕事を「辞めます」と伝えること自体が大きなハードルになる人もいるんですよね。

そう考えると、20代前半の私。

ちゃんと自分で何度も言いに行ってる。頑張ったよ、本当。

ただ、一つ惜しかったのは、

「辞めたい」という自分の気持ちを、自分自身が真剣に受け止めていなかったこと。

師長に流されたら、

「じゃあ、もう少し頑張るか」

引き留められたら、

「辞めない方がいいのかな」

そうやって、周りの反応で自分の人生を決めていました。優柔不断ですね。

結果的に大学病院で5年間働いた経験は、今の私にとって大きな財産です。

だから「1年目で絶対に辞めるべきだった」とまでは思わない。

でも、

辞めたいほどつらいのに、「周りに迷惑をかけるから」という理由だけで働き続けなくてもいい。

これは当時の自分に伝えたいです。

仕事は大事。

でも、自分の人生はもっと大事です。

そして5年目。

何度も「辞めたいです」と言ってきた私が、ようやく「辞めます」と伝え、3月末での退職が決まりました。

あんなに辞めるのが怖かった大学病院。

いざ退職が決まったら――

自由だーーー!

後悔は微塵もないのでした。

……でも、退職が決まったからといって、すぐ自由になれるわけではありません。

そこから待っていたのは、退職までの約10か月。

しかも、「辞めるらしいよ」と病棟のみんなにも知られてしまいます。

辞めることが決まった看護師は、最終日までどんな気持ちで働くのか。

そして、人生最後だと思っていた夜勤で見た朝日。

続きは「大学病院を退職すると決めてから最終日まで」に書いています。

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ABOUT ME
さとちゃん
さとちゃん
正社員を手放した看護師ママ
新卒で大学病院に就職。激務や人間関係に耐えられず退職しました。沖縄で応援ナースとして楽しく働く。現在は4歳、2歳の育児中。時短でも大変で正社員からパートにチェンジ。 趣味はイラストと旅行、食べること。ネコが好きです。
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